【データ分析】PowerBIのウォーターフォールチャート積み上げ棒グラフ

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ウォーターフォールチャート

ウォーターフォールチャートとは?

PowerBIには「ウォーターフォール図」という視覚化ツールがあります。

ウォーターフォール図は、
 

  • ウォーターフォールチャート
  • ウォーターフォールグラフ
  • 滝グラフ
  • 滝図

 
とも言われていて、一般的には「ウォーターフォールチャート」という言葉が使われています。

英語でもウォーターフォール図は「Waterfall chart」と翻訳されているので、以下ではウォーターフォールチャートとして説明します。
 

ウォーターフォールチャートの目的

ウォーターフォールチャートの目的は、数量の変化や要素の寄与を階段状の棒グラフで視覚化するために使用されるチャートです。

この階段状の棒グラフは、「積み上げ棒グラフ」と言われることが多いです。

特に財務やプロジェクト管理の分野で一般的に使用され、特定の期間やプロセスにおける数量の変化を示すために使用されます。

その目的は、いくつかの種類があります。
 

  • 数量の変化の可視化
  • 要素の寄与の可視化
  • 増減要素の分析
  • 累積値の追跡

 

数量の変化の可視化

数量の変化を視覚的に示すための効果的な手法で、増加要素や減少要素が連続して表示され、累積値が計算されることで、数量の変化が一目で把握できます。

これにより、データのトレンドや変動を直感的に理解することができます。
 

要素の寄与の可視化

個々の要素が全体の数量にどのように寄与しているかを明示的に表示することができ、増加要素や減少要素が視覚的に示され、累積値が計算されることで、要素の寄与度やパターンを把握することができます。

特に、増加要素と減少要素が交互に表示されることで、数量の変化の要因を追いやすくなります。
 

増減要素の分析

増加要素と減少要素を明確に示すため、特に変動の要因やトレンドの分析に役立ちます。

増加要素と減少要素の値やパターンを比較することで、数量の変化がどの要素によって引き起こされたかを分析することができます。
 

累積値の追跡

ウォーターフォールチャートは、累積値の計算と表示に適しています。

累積要素が表示されることで、数量の累積の推移が視覚的に分かり、時間や要素の経過に伴う数量の変化を追跡することができます。
 

ウォーターフォールチャートの要素

ウォーターフォールチャートの典型的な構成要素は、
 

  • 始点
  • 増加
  • 減少
  • 累積
  • 終点

 
という5つの要素から構成されます。
 

始点

始点(Starting Point)は、グラフの最初の値を表す棒で、通常の始点はゼロですが、特定の基準値から始まる場合も多いです。
 

増加

増加(Increase)は、正の値を持つ棒で、数量が増加することを表し、増加要素はグラフ上で現在の値から上に向かって伸びます。

増加要素はウォーターフォールチャートの中間に表示され、数量の増加を示します。

増加要素は前の要素の値に増加量を加えることで計算され、次の要素の始点として機能します。
 

減少

減少(Decrease)は、負の値を持つ棒で、数量が減少することを表し、減少要素はグラフ上で現在の値から下に向かって伸びます。

減少要素も増加と同様にウォーターフォールチャートの中間に表示され、数量の減少を示します。

減少要素は前の要素の値から減少量を引いて計算され、次の要素の始点として機能します。
 

累積

累積(Accumulated)は、増加または減少の後に表示される横棒で、その時点までの値の合計を示し、累積要素は次の要素の始点として機能します。

増加要素や減少要素の値が累積されていくイメージです。
 

終点

終点(Ending Point)は、グラフの最後の値を表す棒で、終点は最終的な数量を示し、累積要素から伸びる最後の要素です。

通常、終点は始点からの累積値となります。
 

要素の寄与とは?

要素の寄与というのは、全体の数量や結果に対して、個々の要素がどの程度貢献しているかを表すことを指し、個別の要素が全体の合計値に占める割合や影響度を示すことがあります。

要素の寄与にも種類があり、
 

  • 影響度
  • 割合
  • 貢献度
  • 寄与率

 
要素の寄与は、データ分析やビジネスの分析において重要な指標で、適切なデータの収集と分析を通じて要素の寄与を明確に把握し、効果的な意思決定や戦略立案に活用することが求められます。

影響度(Impact)

要素が全体に与える影響や重要性を示す場合に使用されます。
 

割合(Percentage)

例えば、売上の要素が全体の売上の何パーセントを占めているかを表現することがあります。
 

貢献度(Contribution)

要素が全体の結果や成果にどの程度貢献しているかを示す場合に使われます。
 

寄与率(Contribution Rate)

要素が全体に対してどれだけの割合で寄与しているかを示します。
 

ウォーターフォール図が使い方の種類

ウォーターフォール図には、いくつかの使い方に種類があり、上記で少し説明した要素の寄与(Contribution)によって変わります。
 

  • 要素の寄与を把握する
  • 要素の寄与を比較する
  • 要素の寄与を分析する

 
例えば、売上の合計値を考える場合、各製品カテゴリの売上や各地域の売上などが要素となり、要素の寄与を分析することで、製品カテゴリや地域ごとの売上の重要性や比率を理解することができます。

要素の寄与は、ビジネスの意思決定や戦略立案において重要な情報となります。

要素の寄与を把握する

要素の寄与を把握することで、「資源配分の最適化」というビジネスリソースや予算の配分を効果的に行うことができます。

重要な要素に優先的に資源を割り当てることで、全体の成果や利益を最大化することができます。
 

要素の寄与を比較する

要素の寄与を比較することで、「成果の評価と比較」という異なる要素の相対的な影響や成果を評価することができます。

例えば、異なる製品カテゴリの売上の寄与を比較することで、最も成功している製品カテゴリや成長の潜在性を把握することができます。
 

要素の寄与を分析する

要素の寄与を分析することで、「問題の特定と改善」という問題の原因を特定し、改善のための対策を立てることができます。

例えば、特定の要素が全体の結果に対して負の影響を与えている場合、その要素に焦点を当てて改善策を考えることができます。
 

なぜ「滝」グラフなの?

ウォーターフォールチャートのウォーターフォールは、英語で「滝(Waterfall)」のことです。

この「滝」と表現される理由は、チャートの作られ方や見え方が滝のようなグラフになるからです。

例えば初期値が0から始まり、月初に予算が入り、収支が上下しながら累積してチャートが作られた時に、真に滝のようなグラフに見えるわけです。
 

よく使われているのが、このような項目ごとに収支の割合が視覚化されるウォーターフォール図です。

 

こちらは時系列に収支を見て、個人的には棒グラフのところに項目名が入り月報のようなものが視覚化されるようにしたいのですが、PowerBIでは行えませんでした。

 

まとめ

ウォーターフォールチャートは、数量の変化や要素間の寄与を視覚的に理解するために役立ちます。

各要素が連続してつながっているため、数量の増減のパターンや要素の寄与度を明確に示すことができます。

ウォーターフォールチャートは、データ分析やプレゼンテーションにおいて、複雑な数量の変化を簡潔かつ分かりやすく表示するのに有用なツールです。