猫の餌(フード)吐き戻しの理由と軽減方法~嘔吐と吐出の違い
猫のフード吐き戻し
はじめに
猫が吐き戻しをする理由は猫によって様々ですが、原因がわかれば対策が行えます。
私の猫は保護施設から譲り受けた保護猫で、家に来てから2ヶ月の間に10回以上の吐き戻しがありました。
吐いた後も食欲があり餌(ドライフード)を食べてくれて元気に走り回ったりしていたので、
「大丈夫かな・・・」
と思う反面やっぱり凄く心配で、
「何が原因で吐いてるんだろう?」
とネットで検索したりYouTubeの動画で原因を探して、色んな理由で猫が吐いていることを知り、うちの猫が吐いている理由も分かってきました。
もちろん猫によって原因はいろいろありますが、自分の猫が吐き戻しをする理由が分かれば、軽減させたり吐き戻しをしなくなったり出来るのです。
うちの猫も吐き戻しが無くなりました。
しかし、
「これをすれば必ず!」
という方法が無く、自分の猫の症状に当てはまった対策ができないと、また吐き戻しを繰り返します。
当初はうちの猫も、吐き戻しをしなくなったと思ったら、また吐くようになってしまい、という感じでした。
なのでまずは、
- 症状
- 理由と原因
- 対策
の順に考えて、同じように愛猫の吐き戻しを心配している方の参考になれば幸いです。
猫の吐き戻しの症状
猫の嘔吐と吐出の違い
猫の吐き戻しの症状の前に、嘔吐と吐出の違いを知っておきましょう。
嘔吐 | 胃に到達した、消化が進んだ食べ物や飲み物 |
---|---|
吐出 | 胃に到達する前の未消化の食べ物や飲み物 |
これにより、猫が吐いている内容物が大きく違うので、嘔吐と吐出では大きく対策が変わってきます。
吐き戻しの頻度や量
吐き戻しの頻度には、ある程度の目安があります。
1日の吐き戻しの目安
1〜2回程度 | 生理的な吐き戻しの可能性 |
---|---|
3回以上や連日 | 病気の可能性 |
と言われても、1日に2回も吐かれたら心配になりますよね?
これはあくまでも一般的な目安なので、心配な場合には動物病院の獣医に相談した方が良いでしょう。
私の猫の場合は、週に1回~2回、多い時は週3回の時がありましたが、症状から見て、吐いた後も食欲があり元気だったので、生理的な吐き戻しの可能性が高く、様子を見ながら改善方法を探っていきました。
週3回以上や毎日連日のように吐き戻してしまうという場合には、病気の可能性が高いので、早く動物病院で診察しもらうことをお勧めします。
吐き戻した内容物
上記で説明した通り、嘔吐と吐出には大きく違いがあり、その内容物も大きく変わってきます。
猫の嘔吐は、胃で消化された内容物が吐き戻しされるので、人間の嘔吐物と同じような状態で吐き戻しが起こります。
猫の吐出の場合は、食べた直後や少しの時間で、胃に到達しない状態で吐き戻しされるので、唾液や水が混じったような状態で餌(フード)がそのまま吐き戻しされます。
猫の吐き戻す理由と原因
猫の吐き戻しの理由は、
- 生理的吐き戻し
- 病気の吐き戻し
と大きく分けて2つに分かれます。
理由が生理的な吐き戻しの場合
生理的な吐き戻しの原因としては、
- 毛の飲み込み過ぎ
- 食べ過ぎ、飲みすぎ
- 環境や餌によるストレス
- 餌の種類
などが主な原因として挙げられます。
主に、猫の生理的な吐き戻しを『吐出』と言います。
幽門
猫には幽門という食道と胃の間に特有の部分があります。
この幽門を塞いでしまったり、幽門がうまく働かなくなることで、吐出や嘔吐してしまうことがあります。
この幽門というのが、
「猫は吐き戻しをする動物」
と言われる所以でもあり、ちょっと厄介な存在でもあります。
食道は餌を胃に送り込もうと繊毛が動き、胃は消化するために動くのですが、幽門は基本動きません。
幽門の役割には、
- 胃の内容物を十二指腸に送り込む
- 胃の内容物が食道に戻るのを防ぐ
という2つの役割があり、収縮と弛緩でその役割を果たします。
幽門の収縮で胃の内容物が十二指腸に送り込まれ、幽門の弛緩で胃の内容物が食道に戻るのを防ぐ。
この幽門の機能が低下すると、幽門が閉じたままになってしまったり、開きっぱなしの状態になったり、これが原因で吐き気が起こります。
毛の飲み込み過ぎ(毛玉)
人間の場合だと、金魚や飴玉を一度飲み込んで吐き出すという芸をする人がいますが、あれも吐出の一種です。
猫が毛玉を吐くのも吐出の一種で、本来は胃で消化されて便となって排出されるはずが、毛を飲み込み過ぎると胃まで到達できずに喉や食道に溜まってしまい、毛玉として吐き出されます。
食道の機能低下では喉に毛が溜まりやすくなり、幽門の機能低下では食道と幽門の部分に毛が溜まりやすくなります。
食べ過ぎ・の見過ぎ
猫が餌(フード)をそのまま吐き戻してしまう理由の1つとして、一度に餌を食べ過ぎてしまうことが原因で、幽門の機能低下により吐き戻しが起こります。
食道は餌を胃に送り込もうと動くのですが、餌の量が多過ぎて幽門が開かなかったり、無理に開くと幽門が開きっぱなしになってしまいます。
野生の猫でも、ネズミや鳥を丸のみした時に幽門が開きすぎて、幽門が機能低下を起こし胃液が逆流することがあります。
ストレス
家猫は、生活環境が変わった時や、餌が変わった時などにストレスを感じます。
知らない場所や物に対して、常に警戒心を持ち神経を使い続けるので、食道や胃などの機能低下が起こり、吐き戻しやすくなったりします。
餌が変わった時も同じように、食べ慣れない餌に抵抗を感じて、吐き出してしまうことがあります。
猫には毒や寄生虫を吐き出して体内から排出する機能が備わっているので、生理的に吐いてしまうという感じです。
餌の変化には、
- すぐ慣れる場合
- 吐き戻しを繰り返しながら慣れて安全と認識する場合
- 慣れずに食べなくなる場合
がありますが、吐き戻しを繰り返す餌の場合には、その猫に合わない餌と考えてもよいかもしれません。
餌(フード)の種類
餌の種類によっても、その猫にとって吐き戻しやすい餌(フード)というものがあります。
うちの猫も、吐き戻しやすい種類のウェットフードがあり、最初はいろいろ試しました。
またグレインフリーの餌は吐き戻しやすいと言われています。
猫にとってタンパク質の多い餌は理想ですが、必ずしもグレインフリーである必要はないので、グレインフリーの餌で吐き戻しをする猫の場合は変えてあげるべきです。
病気が原因の吐き戻し
主に、猫が吐き戻す原因が病気の場合、嘔吐というケースが多いです。
嘔吐だから必ず病気というわけではありません。
しかし、基本として嘔吐の場合には動物病院を受診することをお勧めします。
異物の嘔吐
猫は異物を吐き出す機能が、人間より優れています。
確かに野生の猫はネズミや鳥などを丸呑みした場合、毛や骨が胃まで到達しても消化されずに嘔吐して吐き出すという機能を持っています。
しかし家猫の場合、何を飲み込んだのか把握しきれない場合も多いと思うので、しつこいようですが嘔吐の場合は動物病院の受診が良いです。
もちろん異物が胃まで到達した時に嘔吐で吐き出せる場合もあります。
しかし嘔吐の場合は、様子を見ている間に悪化する可能性もあります。
嘔吐は猫にとって危険なサインなので、早急に動物病院でレントゲンを撮ってもらうことをお勧めします。
吐出の場合でも危険かも
また吐出の場合でも、狭窄などの病気が原因と言う場合もあるので、吐出なら安心というわけではありません。
吐出の場合でも、頻度と猫の状態を目安に獣医に相談してください。
猫の状態
病気が原因で吐き戻す猫の状態としては、
- 体重の減少
- 食欲の低下
- 元気が無い
など症状が現れます。
吐出の頻度が多い場合はもちろんですが、吐出の頻度が少なくても、いつもと猫の様子が違うと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。
猫の吐き戻し改善方法と対策
吐き戻し改善方法
猫の吐き戻しを改善する方法には色々あり、
- 餌の種類を変える
- 餌の与え方を変える
- 餌の器を変える
などを1つずつ行ったり、組み合わせて行うなど、猫によって様々なので模索して試してみるしかありません。
うちの猫の場合
うちの猫が吐き戻しをしていた原因は、断定することは難しいですが、
- 最初は環境や餌の変化
- 後のは食べ過ぎ
と思われます。
最初の吐き戻し
成猫の保護猫を譲り受け、うちで生活するようになり1週間くらいは食欲が無く、ウェットの餌しか食べてくれませんでした。
自分でもドライとウェットを何種類か用意していたのですが、自分が用意したドライフードは全く食べてくれず、ウェットフードしか食べません。
保護主の方が与えていたというドライフードも全く食べてくれず、吐き戻しも何回かありました。
1週間が過ぎたあたりからドライフードを少し食べてくれるようになり、吐き戻しをしなくなったのですが、とにかく量を食べてくれないのです。
少し痩せ気味に思えたので、もともと少食な猫だったのかもしれませんが。。
そこで置き餌にして1日中食べられるような環境を作ると、少しずつ量を食べるようになってくれました。
2度目の吐き戻し
しかし、量を食べるようになると、また吐き戻しが起こりました。
そこで少食猫用のドライフードに変えたところ、成猫が1日に必要なカロリーに近いくらい食べるようになり、吐き戻しもしなくなり、体重も少し増えてくれました。
3度目の吐き戻し
しかし、またまた量を食べるようになると、吐き戻しが出るようになりました。
そこで今度は思い切って、置き餌をやめて餌の時間を決めて与えるようにしました。
最初はまた量を食べてくれなくなったので心配しましたが、夜中に餌を食べられなくしたので朝一に量を食べてくれるようになり、また成猫が1日に必要なカロリーに近いくらい食べるようになり、吐き戻しもしなくなっています。
結果
うちの猫に対して行ったことは少しずつですが、
- 餌のあげ方
- 餌の種類
を変えることで、うちの猫に対しての吐き戻し改善方法は上記のような手順で見つかりました。
なので、猫の症状や状態によって理由や原因も異なると思うので、少しずつ色んな方法を飼い主が模索してあげるしかないと思います。
大変化とは思いますが、可愛い愛猫のためなので、ぜひ試してみてください。
このページが参考になって頂けたら幸いです。