子猫と成猫の食事(エサ)の量とおやつとカロリー計算
子猫と成猫の1日の必要量とは?
はじめに
これから子猫と成猫の1日に必要な餌の量とカロリー計算の方法を紹介します。
あくまでも目安なので、飼っている猫によって少食や多食の場合があるので、この数字で餌の量を決めた場合には、日々の体重を計って、
- 増えてしまうのか?
- 減ってしまうのか?
- 丁度良いのか?
を見極めて、適量をあげるようにしてください。
RER、DER、BCS、活動レベル
RER | 安静時のエネルギー要求量 |
---|---|
DER | 1日に必要なエネルギー量 |
BCS | ボディ・コンディション・スコア |
RER、DER、BCSなんて用語を聞くだけで難しそうと思うかもしれませんが、この用語を覚えるというよりは頭の片隅に入れておく程度で大丈夫です。
また活動レベルという係数もあり、
L | Low(低活動) |
---|---|
M | Medium(中活動) |
H | High(高活動) |
S | Sedentary(座りがちな生活) |
---|---|
A | Active(活動的な生活) |
V | Very active(とても活動的な生活) |
正しい計算方法がわかれば、その計算式だけで愛猫への餌の量の目安がわかります。
あくまでも目安なので、この計算から割り出した餌の量で体重の増減を確認して決定しましょう。
1日に必要なカロリーと量の計算
成猫の1日に必要なカロリー
RERとは「安静時のエネルギー要求量」です。
簡単に説明すると「安静時に必要なカロリー」ということです。
計算方法は、
その1
その2
です。
この「70」や「0.75」や「30」という数字は係数(定数)と言い、動物実験や統計解析などに基づいて算出された数字となります。
「1.3」が活動レベルという係数(定数)となります。
こういう良く分からない係数(定数)などの数字が出てくると、なんか凄く難しく感じるかもしれませんが、単純にこの計算式だけ覚えれば大丈夫なので安心してください。
この先の説明では「その1」の計算方法で説明していきます。
体重4kgの猫の場合
4kg(体重) × 70 × 0.75 = 220kcal(RER)
しかし、これが猫に必要な1日のカロリーではありません。
DERとは、このRERに「活動レベル」という係数を掛けて、DER(1日に必要なエネルギー量)となります。
簡単に説明すると「1日に必要なカロリー」となります。
活動レベル
室内飼育の猫の運動量がどのくらいなのか?という係数です。
少ない | 1.2 |
---|---|
普通 | 1.3 |
多い | 1.4 |
上記で体重4kgの猫の場合のRERを計算し「220kcal」と出ました。
体重4kgで活動レベルが普通の猫の場合
220kcal(RER) × 1.3 = 286kcal(DER)
ということで、
体重4kgの猫の1日に必要なカロリー |
286kcal
|
---|
となります。
このカロリーを目安に、1日にどのくらいの餌を与えたら良いのか?がわかります。
子猫の1日に必要なカロリー
子猫の場合には、成猫よりも成長のために多くのエネルギーを必要とするので多くの餌を与える必要があります。
目安としては、成猫の約2倍程度とされています。
2kgのこの子の場合
RER = 140 × 2kg × 0.75 = 210kcal
1日に必要な餌の量
成猫も子猫も、DERの計算ができれば1日に必要なキャットフードの量が割り出せます。
しかし、
- メーカー(ブランド)
- キャットフードの種類
- ドライ
- ウェット
などによって同じ量でもカロリーが全く違います。
ドライフードの場合
多くのキャットフードでドライフードには、100gあたりのカロリーというものが記載されています。
この100gあたりのカロリーを元に、1日に必要なカロリーを計算します。
体重4kgの猫の場合
キャットフードの「400kcal/100g」などの記載がある場合の計算が下記になります。
264kcal(DER) ÷ 400kcal × 100 = 55.02g
ウェットフードの場合
ウェットフードには100gあたりのカロリーの記載が無いものがほとんどです。
代わりに、内容量あたりのカロリー記載があるので、100gあたりのカロリーを割り出してから計算します。
体重4kgの猫で「60g/25kcal」の場合
先に100gあたりのカロリーを計算。
25kcal ÷ 60g × 100 = 41.7kcal(約)
それから1日に必要な餌の量を計算。
264kcal ÷ 41.7kcal × 100 = 633g(約)
注意
ウェットフードで1日に必要な餌の量を計算しましたが、栄養バランス的にはウェットフードのみ与えるのは好ましくありません。
餌を与える場合は、総合栄養食で主にドライフードを中心に、おやつや水分補給など、または排便を促す目的などでウェットフードを与えることをお勧めします。
特に、量を食べてくれない猫の場合にはカロリー不足になるので注意が必要です。
大きな疑問を持ちませんか?
猫の体重で餌の量を計算?
猫は、
- 猫種
- オス
- メス
- 個体差
- 子猫
- 成猫
などにより、例えば同じ4kgの成猫や2kgの子猫でも、
- 瘦せ型
- 普通
- 肥満
など猫種によって骨格や大きさが違ってくるので、単純に体重だけで判断するのは難しいのです。
ということで、ずっと説明してきた体重〇kgの猫というのは、見た目として痩せても肥満でもない普通の体型の猫ということになります。
でも、普通の猫の体型って?
そう言われましても。。
BCS補正係数
そこでBCSには、
BCS1:痩せ過ぎ | 0.8 |
---|---|
BCS2:痩せ気味 | 0.9 |
BCS3:適正体重 | 1.0 |
BCS4:やや太り気味 | 1.1 |
BCS5:標準体重 | 1.2 |
BCS6:太り気味 | 1.3 |
BCS7:肥満 | 1.4 |
BCS8:肥満過剰 | 1.5 |
BCS9:極端な肥満 | 1.6 |
というようなBCS補正係数という体形によるBCSがあります。
こちらを参考に、上記で説明した運動量によるBCS係数として「0.1」を+(プラス)-(マイナス)して計算を行います。
例えば痩せ気味の猫のBCSが「0.9」なので、運動量が多い場合には「1.0」、運動量が少ない場合には「0.8」とします。
適正体重と標準体重?体型の目安
しかし、また疑問が湧いてくるかもしれません。
「適正体重」と「標準体重」ってどっちが丁度良い体重なの?
猫の種類により、
- 小型
- 中型
- 大型
という雑な区分になっていることが多いのですが、同じ4kgの成猫を比較した時に、小型の猫なら標準体重くらいですが、大型の猫なら痩せ気味になってしまいます。
一般的に「適正体重」が丁度良い体重となり、「標準体重」は室内飼いの猫の体型としての平均的な体重を標準としているそうです。
ちょっとややこしいですよね。。
BCS3 (適正体重) |
室外飼育の猫の平均的な体型を基準として、やや軽い体型が理想とされています。 |
---|---|
BCS5 (標準体重) |
皮下脂肪は適度に付いており、肋骨や腰骨が触れる程度の体型で、猫の首や背中に肉が付き、お腹はすっきりしています。 |
言葉で説明されても、実際の体型の目安がないと難しいと思います。
そこで、キャットフードの「ロイヤルカナン」のサイトに目安となる体型画像が掲載されているので、こちらも参考にしてください。
うちの猫は・・・
ちなみに、うちの猫は小型で3.5kg前後なので適正体重だと思っています。
餌も計算通りには食べてくれませんが、痩せたり太ったりということがないので、猫自信が調整してるのかもしれません。
まとめ
猫の個体差で、筋肉量や脂肪量などが違い、運動量が変わります。
季節により夏場より冬場の方が運動量が減るとされ、飼育環境が室内・室外での飼育でも猫の運動量は違い、主に室外にも出ている猫の方が運動量は多くなると考えられるので、BCS(係数)は猫の飼育環境により+(プラス)-(マイナス)「0.1」など計算に入れてみましょう。
RERやDERの計算は判断できますが、BCSは体型での判断が難しい場合には運動量のみで計算し、日々の体重の増減でBCSの値を変えるなどでも良いです。
その他にも、去勢や避妊をしている猫は太りやすいとされているので、この場合もBCSの値を+(プラス)-(マイナス)させて、愛猫の適正な計算式を完成させてください。
体型と体重が安定すれば、それがその猫の適正体重となります。