師匠を持たないお笑い芸人と企業社会とIT化
師匠を持たないお笑い芸人
はじめに
最近はテレビ離れが進み、若者に『テレビは全く見ない』という人が多くなっています。
その理由の多くは、
「テレビ番組がつまらなくなった」
「テレビはつまらない」
という『つまらない』という意見が多くあります。
その原因はなにか?
人を育てなくなった社会
ダウンタウンの世代から、お笑い学校というものが始まり、
- 師匠を持たない
- 学校で芸を学ぶ
- 独学で芸を学ぶ
という芸人が出てきました。
今の企業は
今の企業は、派遣や非正規などの短期労働者を雇い、
「人が足りなけりゃ派遣頼めば良い」
という考えが蔓延し、人を育てず、去る者は追わず、人が足りなきゃ短期労働者という企業が増えています。
人を育てないので、熟練者が会社を辞めてしまうと、教える人間が当然いなくなるわけです。
それでも人を雇えば、仕事は教えてやる必要があります。
そのため仕事を教える人間は、未熟で経験が浅い人間が、新人に仕事を教えるわけです。
そして、未熟で経験が浅い人間が辞めると、さらに未熟で経験が浅い人間が、新人に仕事を教えるわけです。
そのスパイラルが原因か、最近、以前の日本では考えられなかった事故や事件が増えています。
社会や労働環境の弊害です。
今の芸人は
今の芸人は、師匠を持たないので、芸で人に育てられた経験が無い芸人ばっかりです。
師匠と弟子という関係でも、ライバル関係ではありますが、師匠は弟子に全てを教え込みます。
その師匠の技術は、仮に才能が無い芸人でも、その技術で売れる確率が高くなります。
しかし師匠を持たない芸人は、学校で教わる技術や知識以外は、ほぼほぼ独学に近い環境で学ぶわけです。
- 困った時に頼れる人がいない
- 常に自分の芸を見てくれる人がいない
- 本気でアドバイスや注意をしてもらえない
これで育つ人は、よっぽどの才能の持ち主です。
いくら良い先輩がいても、仮に本気で注意してもらえても、本気で芸のアドバイスをしてくれる先輩はいないでしょう。
師匠なら、うっとおしいくらい、自分のことを見ていてあれこれ言ってきます。
これが無いので、今の芸人は自力で技術を伸ばすしかありません。
NSCの成功はダウンタウンだけ
NSCの成功は、ダウンタウンという存在を無くしては、おそらく無かったのではないでしょうか。
しかもNSCの成功はダウンタウンだけで、そのダウンタウンも成功と言って良いのか疑問もあります。
単に才能あるコンビが、たまたま第1期生に入ってきただけ、という可能性も否定できません。
本来は、学校の授業で育てた、ダウンタウンのような芸人を多く輩出することが目的だったはずです。
しかしNSCは、今ではただの学校ビジネスのような存在でしかありません。
「NSCに入ればダウンタウンみたいになれるでぇ~」
ダウンタウンという広告塔が第1期生にいてくれたおかげで、学校ビジネスとしては大成功です。
NSCから売れた芸人
確かに、NSCから売れた芸人もいるのですが、ダウンタウンと比較すると、実績ベースで足元にも及びません。
NSC卒の芸人がMCをやった番組は、長くても5年持たない番組ばっかりで、2年が良いとこで、多くの番組が1年持たずも短命で終わります。
今でも名前を聞く芸人やコンビなど、2組くらいしか思いつかない。
多くの芸人が、あんなに売れてたのに、今では名前を全く聞かなくなっています。
IT企業方式
IT企業は、主に海外の企業基準を取り入れています。
上記でも言っている、派遣などの短期労働者の考え方は、正にIT企業から普及した企業基準なのです。
この企業基準を、大手企業が使うなら、社員を育てながら足りない部分だけ短期で雇うという方式で成り立つのですが。
この企業基準を、中小企業までが取り入れてしまった結果、人を育てない、人を育てられない企業が増えてしまったのです。
まとめ
共通点
この育てられた経験が無い人間が増えたことで、技術不足した人間が増えているわけです。
企業は今までに無かったような事故や事件を起こし、お笑い芸人はつまらなくなっている。
お笑いがスベると事故などと言われますが、これが企業の仕事なら大事故になっているところかもしれません。
そろそろ、せめてお笑い芸人くらいは、師匠に育てられた芸人が必要なのではないでしょうか。
テレビの現状
本来であれば、ゴールデンタイムのバラエティ番組では、お笑い芸人がMCの番組が多くても良いはずなのです。
しかし現状は、
- 元アイドルや現役のアイドル
- 元役者や現役の役者
- アナウンサー
- 評論家
などがMCのテレビ番組が多いんです。
テレビが面白かった時代には、お笑い芸人がMCのテレビ番組が多かったんです。
この現状は、
「どげんかせなあかん・・・」
のとちゃうか?