笑わせる芸と笑われる芸は大きく違う
笑わせる芸と笑われる芸
最近の笑いの傾向
私が笑いを勉強するキッカケとなったのは、最近のテレビがつまらない原因が、お笑い芸人がつまらなくなったせいと考えたからです。
なぜ『つまらない』と感じてしまうのかと考えた時、最近の笑いの傾向として、笑わせる芸より笑われる芸を強く出していることが原因ではないかと考えています。
プロの芸人ですら理解できていない、笑わせる事と笑われる事の違い。
笑わせているようで、笑われているだけ。
笑わせているようで、笑われる芸をやってしまっている。
そんな芸人が増えています。
笑わせると笑われるの違い
『笑わせる』と『笑われる』。
一見、言葉だけなら簡単に理解出来てしまいますよね。
しかしこれが、『笑わせる芸』と『笑われる芸』となった途端、勘違いを起こしてしまうのです。
これを『芸』とすると分かり難く勘違いし易いのかもしれません。
これを『技術』として、『笑わせる技術』と『笑われる技術』とすると、少し見方が変わり行動も変わってきます。
『芸』とすると、どっちがどっちか曖昧でも、『技術』とすることでハッキリしてきます。
ボクサーとお笑い
かつて島田紳助さんは、
「ボクサーとお笑い芸人は凄く似ている」
と言っていました。
それはボクサーの練習と芸人の練習のことで、練習のし過ぎはダメということでした。
しかし、その練習以外でも凄く似ている部分が多いのです。
例えばボクサーの右ストレートにカウンターを合わせる時、右に避けるか左に避けるかでカウンターも変わってくるし、次の攻撃や防御も変わってきます。
お笑いも同じで、ボケが右ストレートなら、ツッコミはカウンターなのです。
ボケに対して食い気味にツッコミするか、間を空けてツッコミするか、またはどんなツッコミをするかで、次の展開(ボクサーで言う攻撃や防御)が変わってきます。
笑われる芸はただの道具
お笑い芸人であれば、人を笑わせるのが本来の技術で、『笑われる芸』というのは道具なのです。
出川哲朗さんは、この道具だけで一世を風靡した稀な存在です。
本人も言っていましたが、
「笑わせることが出来なくても笑われたらいいんだ」
と笑われても良いということに気づいたというような事を言っています。
しかしこれは、本当に稀なことで、この『笑われる』で一世を風靡するなんて、本来はまず無理なことで、本来は芸人としてやってはいけないことなんです。
ラーメン屋で例えるなら、とんかつ入りのラーメン1本でラーメン屋を始めるようなもので、めちゃくちゃレアで珍し過ぎて、これで売れるというのは余程のことなんです。
最近の芸人は、この『笑われる芸』を多用しています。
『笑われる芸』は道具なので、ボクサーで例えるなら世界戦なのにヘッドギアを付けて試合をしているような感じ。
ボクシングの世界戦でヘッドギアを付けて試合をされても、そりゃ『つまらない』ですよね。
笑いの道具
どうしても笑いが取れないプレッシャーや恐怖から、道具に頼りがちになる芸人も少なくありません。
笑いの道具の種類としては、
- 面白い雰囲気にする芸
- 上手い事を言う芸
- スベリ芸
などが代表的なものでしょう。
やはり、この道具をメインの芸風にしてしまう芸人は、消えていってますよね。
なんとなく頭の中に思い浮かぶ芸人さんの名前と顔が、何人かいるのではないでしょうか。
どんな人間でも、あの明石家さんまさんでも、100%完璧じゃない時は多いんです。
そんな時には、あの明石家さんですら、道具を使います。
しかし、やっぱり芸人のメインの芸は『笑わせる芸』なのです。
『笑わせる芸』の技術を高めた芸人さんじゃないと、生き残って売れ続けていくことは出来ません。
まとめ
逃げない笑い
やっぱり芸人さんには、『笑わせる芸』を磨いて欲しい。
そしてテレビを面白くして欲しい。
私もお笑いを少し勉強しただけですが、お笑い芸人さんの凄さというか、一発屋の芸人さんですら凄いことをやっているということには気付きました。
私は歳を取り、芸人としての才能もおそらく無いので、今からお笑い芸人になるなんて到底無理なことです。
せっかくテレビに出られるような才能を持ち努力も出来る芸人さんなのですから、道具に逃げずに『笑わせる芸』を磨いて欲しいです。
やっぱりテレビがつまらないと、世の中がつまらなくなります。
今はYouTubeなどの動画が人気ですが、これがずっと続くとは思えないし、つまらなくてもテレビが無くなることは無いでしょう。
なのでこれから芸人になろうとしている人は、『笑わせる芸』で自分の番組持つことを目標にして、テレビから世の中に少しでも笑いを広げることを目的として欲しい。