お笑い芸人とワイプ芸の落とし穴

注目記事

お笑い芸人とワイプ芸

ワイプ芸とは?

ワイプ芸とは、ワイプの画面上で行うリアクション芸です。

ではワイプとは何か?

ワイプとは、テレビ画面の中に小さな窓のような画面を作り、全く違う映像を映す技術や方法のことです。

なので、ワイプ芸とは小さな画面上で行うリアクション芸という感じです。
 

ワイプ芸の必要性

テレビ番組でワイプを使うと、視聴率が取れます。

なぜ視聴率が取れるかと言うと、ワイプの中に映されるタレントの視聴率が、番組の視聴率と別に取れるからです。

しかし、そのワイプの中で視聴率が取れるタレントというのは、ごく限られています。

主に、
 

  • アイドル
  • 歌手・ミュージシャン
  • 俳優・役者

 
という感じで番組に興味が無くても、そのタレントさんに興味がある人が、好きなタレントさんの表情やリアクション見たさに視聴率が上がるという仕組みです。
 

ワイプ芸の落とし穴

お笑い芸人にとってワイプ芸は諸刃の剣

ワイプ芸というのは、リアクション芸ですが、お笑い芸人ではなくても出来てしまう芸の1つです。

お笑い芸人の本業はお笑いなので、主にバラエティ番組がメインの戦場となります。

その反面、アイドルや歌手や役者などのタレントは、サブ的な戦場でバラエティ番組に出ていることになります。

このメインとサブという戦場の違いは大きく、同じワイプ芸をやっていると芸人以外のタレントと同列に考えがちですが、大きく違ってきます。

なんとなく番組として視聴率が取れてしまうので、お笑い芸人にとってワイプ芸というものは諸刃の剣であり、諸刃ということに気づいていない芸人も多いのです。
 

お笑い芸人以外でも諸刃の剣

実は、バラエティに出てくるアイドルや歌手や役者など、バラエティに出るお笑い芸人と大きく目的が違います。

主な目的としては、
 

  • 本業では稼ぎが少ないから
  • 小遣い稼ぎがしたい
  • どっちでも人気が欲しい

 
などです。

お笑い芸人はバラエティが本業稼ぎ頭人気がある必要があります。

役者さんでも、バラエティトークが上手な人もいますが、中途半端にバラエティに出ると、どっちも仕事を失う可能性があります。

アイドルや歌手も同じ。

そんなお笑い芸人以外のタレントがワイプで抜かれても、何も考えないか理解できていない場合が多く、安易なリアクションしかしません。

その安易なリアクションというのは、必ず飽きられるので飽きられた瞬間、負のイメージが付いてしまいます。

負のイメージが付くと、人気が落ちるので、本業にまで影響が及びます。

お笑い芸人以外のタレントにとっても、バラエティやワイプ芸は特に、諸刃の剣となるのです。
 

なぜワイプ芸が落とし穴なの?

なぜワイプ芸が、お笑い芸人にとって落とし穴になるのか、ワイプ芸での視聴率を考えてください。

お笑い芸人というのは、バラエティ番組に出ている以上は、芸人の芸としての視聴率を取らなくてはいけません。

このワイプ芸というのは、芸人の芸とは違うからです。

しかも、このワイプ芸で取れた視聴率というのは数字に出にくいもので、番組の視聴率があっても芸人が笑いを取った視聴率とは限らず、安易に番組の視聴率に安心してしまうからです。

これが落とし穴!

お笑い芸人である以上は、自分が視聴率を取ったかが重要なんです。
 

人気のお笑い芸人にワイプ芸はいらない

例えば、明石家さんや松本人志さんの番組では、ほとんどワイプを使っていません。

有吉さんもワイプ芸を極力しないと嫌っています。

自分の芸で笑いを取り視聴率が取れる芸人ほど、自分の番組にワイプが邪魔になってくるからです。

ゲストがワイプで、良いリアクションばっかり取ってくれれば良いのですが、そうでない場合も少なくありません。

また、ワイプ芸で取れる視聴率というのは、主にアイドルなどのタレントの表情やリアクション目的です。

例えば、可愛いアイドルやイケメンタレントなら、良いリアクションをしなくてもファンは視聴者として満足します。

しかし、ファン以外の視聴者からは、リアクションの悪い表情は好感が持たれず番組としての評価が下がります。

なので視聴率が取れるタレントさんほど、ワイプを必要としないのです。
 

ワイプ芸をメインに活動するお笑い芸人

自分の番組を持てないお笑い芸人なら、ひな壇芸やワイプ芸で食いつなぐしかありません。

しかし、ひな壇芸は良いとして、ワイプ芸というのはお笑い芸人では無くても出来る芸なので、非常に質の低い芸になります。

なまじっか質の低い芸でもテレビに出続けられると、そこに安定を求めたり、けっこう人気があると勘違いします。

今のテレビ局は、テレビ離れが進んでいるので、質が低くても芸人を使うしかありません。

質の低い芸に慣れてきてしまうと、お笑い芸人という業界全体の質も下がってきます。

こうなると、どんどんテレビ離れは加速してしまいます。
 

ワイプ芸の代わりはいくらでもいる

何度も言っていますが、ワイプ芸はお笑い芸人では無くても出来る芸です。

なので、ワイプ芸が出来るタレントは腐るほどいるわけです。

しかも、ワイプ芸は飽きられやすいので、次から次へと新しいタレントで新鮮味を出すことを繰り返しています。

これをお笑い芸人がやっていても、何の得にもなりません。

むしろ飽きられたらお笑い芸人として終わってしまう可能性すらあります。

ワイプ芸で、つまらない印象飽きられたイメージが付くと、お笑いの芸でもつまらない印象や飽きられたイメージが持たれます。

これは、お笑い芸人にとって凄く損失になります。
 


 

お笑い笑いの教科書

Posted by memotaro